すべてのことには両面がある。なにごとにメリットばかりではなく、デメリットもある。役立つことには弊害があり、良薬にも副作用がある。勤続年数の長い女性の仕事に対しても、いい面と悪い面がある。両面に目を向けるバランス感覚を常に意識することが大切だ。

勤続年数が長いメリットといえば、全般的に仕事を理解し大所高所からそつのない仕事ができること。リラックス状態で、余裕に仕事をこなすので、いい成果の仕事に結びつきやすい。上司からや同僚からの信頼があり、なにをしようが怒られるシーンがなくなる。後輩ができ、上手く教育すれば雑務を任せられる。

勤務年数の長さだけで、なんだか偉くなったような気になったりするが、デメリットも潜んでいる。仕事に対する責任感が一層重くなるデメリットは、思いの外きついストレスを産む。また、いざ辞めようと思っても同僚や上司に気兼ねして実行しづらくなってしまう。

勤続年数が長くなれば客先にも信頼され、上司に対してもある程度の発言権は出来るのだが、その信頼に応えようとして、オチオチと休暇も自由に取れない。休んでいる間に、自分の帰る居場所がなくなっているという不安が、こころのどこかに生まれてくる。

女性の仕事の限界は、結構早い年齢でやってくる。男性の場合は、アブラの乗り切った時代という時期が長くあるが、女性の場合「若さの武器」の消滅とともにその旬を失うという現実に直面する。若い頃のようにやさしく面倒みてもらえる時期は短いのだ。
正直な話、男女共にいくつになっても協力し合いながら伸び伸びと働けるのが一番なのだが。
悲しいことにまだまだ日本の企業は男性中心の社会であるといわざるをえない。若い女性にのみ群がる男性社員・・・いつの時代になっても同じなのだろうか。

女性が勤続年数を長く勤め上げる一番の方策は、誰にも真似が出来ない自分だけのスキルを持つことだ。